＃25 生活の心得

日々の生活を安心して過ごすためには、季節ごとの体調管理や生活習慣の見直しが大切です。特に糖尿病の方はいくつか気を付けたいポイントがあります。

今回は、暑い季節の過ごし方から口腔ケア、旅行時の心得まで、生活に役立つお話です。

熱中症について

糖尿病のある人が熱中症になりやすい理由

１．自律神経障害
（汗をかく発汗機能、血管を収縮・拡張させる機能の低下や体温調節が難しい）

２．薬の影響
（SGLT2阻害薬服用中は、尿糖の排泄促進によって利尿作用が働き、尿量が増加するため、飲水量が少ないと脱水になりやすい）

３．高血糖による口渇・多飲・多尿
（尿糖排泄、SGLT2阻害薬服用による多尿により脱水になりやすい）

４．その他、真夏の炎天下で運動を行った場合や、腎機能が低下している場合

（体内の水分と電解質のバランスが崩れやすくなり、熱中症になりやすい）

熱中症の予防

糖尿病と歯周病の関係について

糖尿病で血糖コントロールが悪い状態では、免疫力が低下し、唾液分泌量も減少します。

そのため、自浄作用が働きにくくなり、口腔内細菌の増殖につながり、歯周病が悪化してしまいます。

旅行について

旅行を楽しむときの注意

【食事時】

• エネルギー摂取量の調整（できるだけ1日の摂取量が普段と同程度になるようバランスを考える）
• 低血糖に注意する（補食を携帯する）
• 間食をしすぎない（旅先でしか味わえない食べ物が多いため、事前に本当に食べたいものかをよく吟味する）

【活動時】

• 無理なスケジュールを立てない（ゆとりのある日程を組むことで、過度な疲労を避けられ、食事やインスリン注射、低血糖リスクへの対策もしやすくなる）
• 食べ過ぎたり運動量が少ないときは、血糖値の上昇を抑えるために軽い散歩を取り入れる

【薬の管理　他】

• インスリン製剤などの注射薬など常温で保存し手荷物として携行する（高温や凍結によって、薬品の変性が起きないようにするため）
• 内服やインスリン注射、血糖測定に必要なものを旅行日数より多めに持っていく
• 保険証、お薬手帳、連携手帳を持参し、事前に旅行先の医療機関について調べておく

患者さんに出来る小さなこと

少しの工夫で 『できない』 が 『できる』 に変わります！
何かできることから無理なく始めてみませんか。

記事一覧