救急科
診療科の特徴
救急科は救急医療を中心に集中治療、災害医療を担当しています。
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【救急医療】
- 全科の協力のもと平日昼間帯と日曜の救急当番日、土曜の救急・輪番当番日に主に救急車で搬入される救急傷病者の初療に当たっています。救急診療で最も重要なのは時間です。軽症・重症、内因(病気)・外因(外傷・中毒・熱中症など)を問わず、迅速な病歴の聴取と身体所見の把握、そして並行して処置(点滴、採血、止血)、諸検査(血液・心電図・超音波・CT・X線など)を行い、搬入から30~40分以内に疾病・病態を診断して治療方針を決定しています。必要な時には専門医とともに診療しています。
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【集中治療】
- Speedy / Simple / Smartをモットーに重症患者の治療に当たるとともに、救急科以外の患者に対するアップデートな治療法や人工呼吸管理を助言し、気管切開、CVカテーテル留置、血液浄化などをサポートしています。
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【災害医療】
- 地震(東南海地震:震度6強、最高3m津波)、異常気象(洪水、竜巻、大型台風・・・)、列車事故などがいつ起こるか判りません。どのような災害にも医療対応できるよう平時から迅速な診療、複数傷病者の並列診療、迅速な病棟入院と専門病院転送などを実践しています。また、地域の総合防災訓練、マラソン救護班などに積極的に参加しています。
診療可能疾患
軽症・重症、内因・外因のありとあらゆる救急疾患
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成人救急疾病全般
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ショック
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外傷
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急性薬物中毒
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熱中症・低体温症
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マムシ咬傷 など
診療実績
救急科初療傷病者の搬入路
搬入方法 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 |
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救急車 | 1,935 | 2,372 | 2,174 | 2,270 |
ドクターカー | 48 | 68 | 39 | 25 |
ドクターヘリ | 6 | 4 | 2 | 10 |
医療用車両 | 7 | 8 | 14 | 12 |
直接来院 | 258 | 311 | 268 | 201 |
総数 | 2,254 | 2,763 | 2,497 | 2,518 |
病態別ER転帰
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
院外心肺機能停止 | 75例 | 87例 | 76例 | 73例 |
ER死亡 | 40 | 63 | 55 |
53 |
ER転院 | 1 | 0 | 0 | 0 |
入院死亡 | 24 | 15 | 13 | 13 |
入院退院・転院 | 10 | 9 | 8 | 6 |
帰宅 | – | 0 | 0 | 1 |
内因性疾患 | 1,285例 | 1,817例 | 1,614例 | 1,633例 |
ER死亡 | 0 | 5 | 6 |
4 |
ER転院 | 49 | 50 | 42 | 37 |
入院死亡 | 53 | 64 | 67 | 55 |
入院退院・転院 | 445 | 698 | 577 | 631 |
帰宅 | 738 | 595 | 922 | 906 |
外因性疾患 | 894例 | 866例 | 807例 | 805例 |
ER死亡 | 0 | 2 | 1 | 2 |
ER転院 | 29 | 28 | 36 | 39 |
入院死亡 | 2 | 2 | 6 | 3 |
入院退院・転院 | 196 | 239 | 200 | 207 |
帰宅 | 667 | 595 | 564 | 554 |
初療疾患内訳
2020年 | |
内因性疾患 | 1702例 |
消化器 | 336 |
呼吸器(肺炎含む) | 214 |
感染症(肺炎以外) | 172 |
循環器 | 127 |
迷走神経反射 | 73 |
精神 | 95 |
腎・代謝 | 139 |
脳神経 | 151 |
泌尿器 | 81 |
大血管 | 34 |
その他 | 280 |
外因性疾患 | 816例 |
鈍的損傷 | 592 |
交通事故 | 170 |
その他外傷 | 422 |
鋭的損傷 | 27 |
熱中症・低体温症 | 70 |
中毒 | 36 |
動物 | 29 |
熱傷 | 31 |
その他 | 31 |
スタッフ紹介
切田 学(きりた まなぶ)
役職 | 理事 (兼)院長補佐 (兼)救急科 主任科部長 |
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専門分野 | 外傷一般 救急一般 災害医療 代謝・栄養 |
学会専門医・認定医 | 日本救急医学会救急科専門医・指導医・功労会員 日本集中治療医学会集中治療専門医・評議員 日本外傷学会外傷専門医 日本病院会認定病院総合医 日本臨床救急医学会評議員 日本腹部救急医学会評議員 日本蘇生学会評議員 日本災害医学会評議員 厚生労働省認定臨床研修指導医 医学博士 |
佐藤 圭路(さとう けいじ)
役職 | 科部長 |
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専門分野 | 救急医学 集中治療医学 |
学会専門医・認定医 | 日本救急医学会救急科専門医・指導医 日本麻酔科学会麻酔科専門医・指導医 日本集中治療医学会集中治療専門医・評議員 日本蘇生学会指導医 日本ペインクリニック学会ペインクリニック専門医 日本臨床救急医学会評議員 日本医師会認定産業医 JATEC インストラクタートレーナー シルバーインストラクター ISLS インストラクター コーディネーター ITLS Advanced インストラクター ITLS Prediatric インストラクター 日本DMAT隊員(統括DMAT) 厚生労働省認定臨床研修指導医 医学博士 |
中田 一弥(なかた かずや)
役職 | 救急科 医長 |
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専門分野 | 救急一般 感染症 心肺蘇生 集中治療 |
学会専門医・認定医 | 日本救急医学会救急科専門医 日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本消化器病学会消化器病専門医 日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医 厚生労働省認定臨床研修指導医 |
地域医療機関の先生方へ
救急科は緊急度、重症度、病因に関係なく、あらゆる救急疾患の初療に当っています。2019年1月~12月(1年間)に、救急車2,174例、ドクターカー39例、ドクターヘリ2例、医療用車両14例、直接来院268例、総計2,497例の初療に当りました(表1)。疾患別(表2)には、内因性疾患1,677例(消化器系354例、呼吸器系222例、感染症162例、循環器系126例、迷走神経反射124例など)、外因性疾患820例(鈍的損傷602例、中毒49例、熱中症・低体温症61例など)でした。ER転帰(表3)は、院外心肺機能停止76例中8例(10.5%)を救命できましたが、完全社会復帰は3例、3.9%と少なく、非院外心肺機能停止内因性疾患1,614例中、外来・入院死亡は67例(4.2%)、帰宅は922例(57.1%)、外因性疾患807例中、外来・入院死亡は7例(0.9%)、帰宅は564例(69.9%)でした。当院入院(表4)は874例(総初療の35.1%)で、184例(総入院の21.1%)が救急科に入院しました。
緊急・重症病態の患者さんを診られた時には救急科へご連絡を下さい。出動可能ならドクターカーで貴院まで出動します。