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減量手術について|外科/消化器外科|加古川中央市民病院

減量手術について / 外科/消化器外科

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肥満症外科手術(減量・代謝改善手術)実施施設認定されました

2018年に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を導入して以来2023年2月までに40例の患者さんに対して手術を行いました。当院の肥満外科チームは外科医、糖尿病内科医、精神科医、消化器内科医、麻酔科医、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、看護師から構成され、チーム全員で肥満患者さんの治療を行っています。当院肥満外科チームの活動は学会から高く評価され、2023年より肥満症治療学会の肥満症外科手術認定施設の認定を受けることができました。

出典:日本肥満症治療学会 保険委員会

出典:日本肥満症治療学会 保険委員会

日本における減量・代謝改善手術施行施設数共に著しく増加しています。

肥満外科手術

当院では2018年4月より肥満外来を開始し、11月より肥満手術を行っています。2021年10月までに24例の患者さんに施行しています。

肥満の定義

BMI=体重(kg)÷{身長(m)}2
BMI25以上を肥満と定義し、BMI25~30を1度肥満、30~35を2度、35~40を3度、40以上を4度と決められています。

身長 cm
体重 kg


肥満症と肥満の違い

肥満に健康障害もしくは内臓脂肪の蓄積を伴うものを肥満症と定義されています。
BMI35以上で健康障害もしくは内臓脂肪の蓄積を伴うものを高度肥満症といいます。

出典:肥満症治療ガイドライン2016

肥満症に関連する健康障害*

  1. 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
  2. 脂質異常症
  3. 高血圧症
  4. 高尿酸血症・痛風
  5. 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
  6. 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作
  7. 非アルコール性脂肪性肝疾患
  8. 月経異常・不妊
  9. 閉塞性睡眠時無呼吸症候群
  10. 運動器疾患:変形性関節症(膝・股関節)・変形性脊椎症・手指の変形性関節症
  11. 肥満関連腎臓病

高度肥満症に対する治療

出典:肥満症治療ガイドライン2016

肥満・減量外科手術

近年、世界中で肥満が問題となっており、高度の肥満(BMI≧35)に対して手術で治す治療(肥満・減量手術)が盛んになっています。2020年には世界で80万件を超える手術が行われています。日本では2014年に腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険収載されて以来、手術数・施行施設数が増加しており、2020年には約750例の手術が行われています。世界の症例数と比較するとまだまだ多くはありませんが、今後日本でも増加していく手術であると考えられています。

肥満外科手術の減量効果

出典:Lars Sjöstrome et al, N ENGL J MED 2007

出典:Lars Sjöstrome et al, N ENGL J MED 2007

肥満外科手術の術式

世界では様々な手術がありますが、現在日本で行われている術式は大きく分けて次の4術式になります。

  1. 腹腔鏡下調節性胃バンディング術
  2. 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術
  3. 腹腔鏡下胃バイパス術
  4. 腹腔鏡下スリーブバイパス術

この中で保険適応可能な手術は腹腔鏡下スリーブ状胃切除術のみになります。
当院では2018年11月より導入しており2019年5月から保険で施行しています。

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の保険適応基準

1.  BMI35以上の場合
  6か月の内科的治療を行っても十分な効果が得られない。
  2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群のうち1つ以上を合併
2.  BMI32.0~34.9の場合
  6か月の内科的治療を行っても十分な効果が得られない。
  2型糖尿病でHbA1c 8.0以上かつ以下のいずれか1つ以上を合併
  ・高血圧症(6か月以上薬物治療を行っても収縮時血圧160mmHg以上)
  ・脂質異常症(6か月以上薬物治療を行ってもLDL140mg/dl以上またはnon-HDL170mg/dl以上)
  ・睡眠時無呼吸症候群(AHI≧30)

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の保険適応基準(2024年6月から)

1.  BMI35以上の場合
  6か月の内科的治療を行っても十分な効果が得られない。
  糖尿病、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群または非アルコール性脂肪肝炎を含めた

  非アルコール性脂肪肝疾患のうち1つ以上を合併
2.  BMI32~34.9の場合
  6か月の内科的治療を行っても十分な効果が得られない。
  糖尿病でHbA1c 8.0以上(NGSPの値)、高血圧症、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症候群、

  非アルコール性脂肪肝炎を含めた非アルコール性脂肪肝疾患のうち2つ以上を合併

当院の肥満外科治療について

当院では2018年11月より腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を施行しています。2019年5月からは保険適応で行っています。

肥満外科チームメンバー

学会のガイドラインなどで肥満外科治療はチームで行うことが必須となっています。
当院では2018年4月より肥満外科ミーティングを行っています。
手術の適応などはチーム全員で判断を行います。

  • 消化器外科医: 肥満外科手術を担当します。
  • 糖尿病内科医: 術前術後の投薬治療を行います。
  • 精神科医  : 精神疾患の鑑別・管理を行います。
  • 消化器内科医: 術前・術中・術後の内視鏡検査を担当します。
  • 麻酔科医  : 手術の麻酔を担当します。
  • 管理栄養士 : 術前、術後の栄養指導を行います。
  • 理学療法士 : 周術期のリハビリを行います。
  • 臨床心理士 : 術前術後のカウンセリングなどを行います。

受診方法

かかりつけ医よりの紹介状をお持ちの上、木曜日の肥満外来へお越しください。

糖尿病・代謝内科(初診の方)

診察室番号毎週木曜日専門
10-6高橋(第1・3・5)肥満外来
10-6黒川(第2・4)肥満外来

消化器外科

診察室番号毎週木曜日専門
14-3阿部肥満手術

※肥満外来で手術適応と判断された方のみ受診して頂きます。