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#08 治らない病気「緑内障」 | 加古川中央市民病院
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プチ健康教室、第8 号は眼科が担当です。今回のテーマは日本における失明原因第1 位の 『 緑内障 』です。昔は「あおそこひ」と呼ばれ、恐れられていた病です。なぜ「あおそこひ」というのか?紀元前4 5 世紀ごろに古代ギリシャのヒポクラテスがすでに失明する病として記述し、その中で緑(青)という語源がでてくるようですが、日本名の「あおそこひ」の由来は眼底を意味する「そこひ」に障害があり見えなくなることからきています。40歳以上の 20 人に1人は緑内障。失明しないための第一歩は早期発見につきます。治療は点眼が主体となりますので、点眼の豆知識についても取り上げています。

「もしかして、緑内障かも」と疑って少し紙面に目を通してみてくださいね。

#08 治らない病気「緑内障」

だからこそ早期発見、継続的な治療が必要!!

目を通して得られた情報は視神経から脳に伝達され、我々は脳でものを見ています。緑内障は視神経が何らかの原因で障害されることで視野が狭くなり、最終的に失明に至ってしまう病です。障害された視神経はどのような治療を行っても修復することが出来ませんので、緑内障は治らない病なのです。原因はわかっていませんが、眼圧を下げることで進行を食い止めることは可能です。早期発見、早期治療(点眼治療が主体です)で眼圧をコントロールし、できるだけ進行を遅らせる事が重要となります。
人間が受け取る情報の8割は視覚から。人生100年時代、目の健康寿命も100年を目指しましょう!

Point

  • 特に緑内障になりやすいのは
    血縁者に緑内障の人がいる人・近視の強い人
  • 症状
    特に自覚症状がないままゆっくりと進行するのが特徴です。ある程度病状が進行して初めて見えにくさや視界の一部が欠けている事に気づきます。自覚症状が出た時点ではかなり緑内障が進行していると考えられます。

★40歳を過ぎたら健康診断や人間ドック、眼科診察を受ける事をお勧めします。

あなたの点眼、それ間違ってます!

よく効くように点眼は2・3滴入れてます。

☞ それ、間違ってます!

目の表面の液体成分をためるスペースは20~30μL 点眼1滴は50μL 
つまり1滴で十分です。沢山さしてもすべて目の周りに流れ出てるだけです。

点眼後はパチパチ瞬きしています。

☞ それ、間違ってます!

点眼液は目の表面から吸収されるとともに、余分な薬液は目頭にある涙点から鼻へと排出されます。点眼すると苦く感じるのは、余分な液が鼻から喉の奥に流れていくためです。点眼直後にパチパチと瞬きすると、目の表面から吸収されるまでに涙と一緒に涙点に排出されてしまい、十分な効果が得られにくくなります。
点眼後は目頭を押さえたり、しばらくそっと目を閉じるようにしましょう。

点眼の先が目に触れないよう注意

点眼1本で何日もつのかな?

一般的に病院で処方される点眼瓶には5mLの薬液が入っています。(緑内障の点眼薬の中にはその半分の2.5mLのものもあります)『1滴で50μL』ということは100滴です。
両目に1日4回点眼するなら、単純に計算すると…
約12日で1本です。これはあくまでも1回で目に上手に命中する人のお話。上手に点眼できないという人はそれよりも早く無くなってしまいますね。
目の周りに流れた点眼液は瞼のただれの原因になります。こぼれた点眼液はすぐにふき取り、上手に点眼できるような練習も大切です。 
★開封した点眼瓶の使用期限は1か月です。

緑内障になると数種類の点眼を使用しないといけなくなり大変です。最近では2種類の点眼が1つになった配合薬がたくさんでていますので、配合薬をうまく使いながら点眼治療を継続していきましょう。

眼科
主任科部長 原 ルミ子
目の健康は40歳から。検診って大切ですよ

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