
新型コロナウイルス感染症の影響の為、本年度も健康教室が開催できない状況となってしまい、いつも参加してくださっている皆様には大変ご迷惑をお掛けしております。この度、健康教室運営委員会で話し合い、健康情報をお届けする運びとなりました。プチ健康教室では、毎号1つの病気について皆様にわかりやすくお伝えしていきます。さて、記念すべき第一号目のプチ健康教室のテーマは、「COPD」です。国民認知度が30%程度とまだ低いのですが、タバコが主な原因とされ、気づいたときには病状が不可逆性に進行し、酸素が必要になったりするやっかいな病気です。チェックシートもぜひ活用してみてくださいね。
#01 肺の生活習慣病COPD (慢性閉塞性肺疾患)を見逃さないで! !
肺の生活習慣病とも言われている「COPD」とは、肺気腫や慢性気管支炎も合わせた、慢性閉塞性肺疾患という病気のことです。
気管支が炎症を起こしたり肺胞が破壊されて肺機能が低下し、悪化するとせき・たん・息切れが強くなり生活に支障をきたします。
せきや呼吸困難などの症状は気管支喘息と似ていますが、進行性であるという点で異なります。
2001年の調査において、日本では約530万人の患者数がいるとされています。知名度の低い病気であることから、適切な治療を受けていたのはそのうち約5%の22万人ほどでした。また年々死亡者数が増えて令和2年度の男性死亡率10位となっています。
Point

◎原因
たばこの煙など有害な粒子やガスの吸入による肺の慢性的な炎症
◎症状
肺の中に空気がたまった状況で吐き出せなくなり、それ以上吸えなくなるため呼吸困難が起こります。 
たばこの煙に含まれるニコチンは、新型コロナウイルス感染症の侵入口といわれるACE2受容体を増やすといわれています。そのため喫煙者やCOPD患者は重症化しやすいとされているため注意が必要です。
今すぐチェック!! あなたはCOPD患者?!
進行の抑制には呼吸リハビリが効果的
COPDを予防するには、日常生活を送るために必要な基本動作を、息切れなく楽にできるようにすることが大切です。日々の運動に以下の呼吸法を加えてみましょう。
口すぼめ呼吸


腹式呼吸

手を胸とお腹に置きます。

お腹がふくらむのを手で確認します。

COPDの予防や症状軽減には、禁煙だけでなく、身体活動性の向上が大切だといわれています。
歩数計などを使って運動量を毎日測ったり、体重を減らさないよう十分な食事をとるなど心がけてください。

- 呼吸器内科
 主任科部長 西馬 照明
- 今年も六甲縦走は途中でギブアップしました。普段からの練習が大切ですね…!
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