
院内で開催された糖尿病教室の内容をピックアップし、皆様へお届けします!
#30 今日からはじめるフットケア
糖尿病患者さんは血糖値のコントロールが不良であると、糖尿病性の神経障害を招きやすい状態になります。糖尿病になり、血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の3大合併症のひとつである神経障害が起こります。重症になると足を切断しなければならないことも…。
大切な足を守るために、自分の足の状態を知り、その状態に合わせた方法でフットケアをしていくことが大切です。

足トラブルの種類
靴擦れ
糖尿病患者さんの足トラブルの原因でもっとも多いのが靴擦れです。サイズが合わないまま靴を履くと靴と皮膚の摩擦で外傷を招き、靴ずれが起こります。早期であれば発赤・疼痛程度で気づくこともありますが、神経障害がある場合は気づきにくいため、毎日自分の足をチェックするようにしましょう。
<予防>
靴は小さくても、大きくても皮膚が圧迫したり、靴擦れを起こす原因になります。自分の足に合った靴を履きましょう。
立ち仕事が多い方は足がむくむことも多いため、靴購入時のポイントは足がむくみやすい時間帯に靴選びを検討するとよいでしょう。

●靴選びのポイント!
- つま先に1~1.5㎝の余裕がある
- 横幅が合っている
- 土踏まずの位置がフィットしているか
- ヒールが高くない
- 紐靴またはマジックテープで調節ができる
- 足首と靴の間に大きな隙間ができない
深爪・陥入爪(かんにゅうそう)
爪を深く切りすぎる、爪が皮膚にくいこむなど、間違った爪の切り方が原因で皮膚に炎症を起こします。爪は切りすぎないよう正しい方法で切りましょう。
<予防>
- 深爪に注意
- 爪の角は、深く切り落とさないようにしましょう
- 巻き爪になっている場合は長めにまっすぐに切りましょう

乾燥・亀裂
冬場など寒い時期には足の裏が乾燥し、亀裂を招き、皮膚が損傷することも。糖尿病患者さんは、自律神経障害で発汗障害があるため、足底部が乾燥しやすくなっています。
<予防>
ボディー用乳液やスキンケアクリームなどを塗って足を保湿しましょう。ただし、指の間に保湿クリームを塗ると湿って水虫の原因になることがあるので塗りすぎには注意しましょう。

鶏眼(うおのめ)・胼胝(たこ)
長期間にわたって、皮膚の一部への圧迫や摩擦が繰り返されると自分の体を守るために表面の角質層が厚く硬くなります。うおのめは痛みを感じますが、たこは通常痛みがありません。自己流で硬く厚くなった部分をカミソリなどで無理に削ると、皮膚が傷ついて出血したり、細菌感染を起こしたりするので避けてください。
<予防>
- 発生してしまっている箇所の原因となる靴を履かないようにしましょう。
- 足の一部に負担がかかるような姿勢や歩き方をしないようにしましょう。

白癬(はくせん)
一般的に水虫とよばれる症状です。白癬菌という真菌による皮膚の感染症です。足の清潔が保たれず、蒸れなどによって発生します。浸軟したものや乾燥したもの、掻痒感を伴うものや伴わないものなど、症状が様々で爪に発症した場合は、爪が白く変色します。
<予防>
- 足を清潔に保つようにし、汗をかいたらその都度靴下は取り換えるましょう。
- 水虫が発生した場合は、医師の指示に従った外用薬を塗布しましょう。

外反母趾
足の親指が人差し指のほうに「くの字」に曲がり、付け根の関節の内側の突き出したところに痛みが生じます。
原因は、幅が狭く、つま先が細くなった靴、ヒールの高い靴を履くことが多かったなど、足先にかかる力が強いことで変形します。中年期以降の原因としては、肥満・筋力低下・履物などによって起こることが多いです。
<予防>
- ゆったりとした履物を選びましょう
- 足の指をすべて開く体操をする(グー、チョキ、パー)

フットケアの手順
➀足の観察
糖尿病の患者さんは小さな傷でも、悪化して感染を起こしやすい状態ですので、出来れば患者さん自身で足を見る習慣をつける事をお勧めしています。目で見るのはもちろんなのですが、目が悪い方は手で触ってみて、触れた感覚で確かめる事も大切だと言われています。
●糖尿病患者さんの足をみる時のポイント

見えにくい方は・・・
鏡を使用したり、履いていた靴下に血液が付いていないかなどを確認する方法もあります。この為に靴下は色の薄いものをおすすめしています。そうすることで、靴下に血液汚染があった場合、素足を観察しなくても異常の早期発見に繋がりやすいです。
➁足の洗浄
足浴(温めて、皮膚を柔らかくする)
→石鹸(泡)で足全体を洗う
→趾間、爪の溝を洗う事を忘れずに!!
→足浴後は、しっかりと水分を拭き取る
③爪を正しく切る

➃保湿
保湿は感想を防ぐためにはとても重要です。お風呂上りや寝る前など乾燥していると感じたら保湿するように心がけましょう。
毎日よく足を観察して、フットケアを行うことで足トラブルを予防しましょう。
糖尿病患者さんで足のことでお困りの症状があればまずはお近くのかかりつけ医まで。
出典元:糖尿病看護 フットケア技術第3版 日本看護協会出版会.他

- 外来1 看護師
- 秋めいた空気を感じるようになってきましたね。行楽シーズンをしっかりと楽しむことが出来るよう、ご自身の足をしっかりと観察してみましょう
記事一覧

2026.09.14
#30 今日からはじめるフットケア
2026.08.25
#29 サプリメントとくすりの違い
2026.03.27
#28 「血糖値を下げるだけではダメ?」~糖尿病治療の意義について~
2026.03.02
#27 糖尿病と薬の正しい知識
2026.01.22
#26 糖尿病検査でわかること
2025.12.22
#25 生活の心得
2025.12.10
#24 糖尿病食事療法の基本
2025.03.24
#23 腎臓をいたわる過ごしかた
2025.02.17
#22 クイズに挑戦!
2024.08.21
#21 災害への備え~日頃からの心得~
2024.08.16
#20 ご存じですか?糖尿病食は健康食
2024.06.25
#19 ここから学ぶ!糖尿病の基礎知識
2024.04.16
#18 検体検査から分かること ~脂質・腎機能関連検査~
2024.04.16
#17 災害への備え
2023.12.08
#16 運動で『遺伝リスク』を吹き飛ばそう!
2023.09.27
#15 SGLT2阻害薬とは
2023.08.01
#14 栄養素の血糖値に与える影響と手軽に作れる料理
2023.06.08
#13 糖尿病と認知症
2023.06.08
#12 糖尿病と動脈硬化
2023.06.08
#11 お口の健康・フットケア
2023.06.01
#10 世界糖尿病デー/合併症と運動療法
2023.06.01
#09 重症低血糖 について
2023.06.01
#08 糖尿病の方の食事について
2023.06.01
#07 さまざまな糖尿病合併症
2023.06.01
#06 血糖値とHbA1cについて
2023.05.27
#05 「シックディ」と「フットケア」について
2023.05.26
#04 運動療法について
2023.05.26
#03 GLP-1受容体作動薬
2023.05.26
#02 夏に気になる「これってどうなの?」にお答えします!
2022.12.20
#01 糖尿病と新型コロナウイルス感染
- カテゴリCategory
- 最新の記事Recent entry





