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#22 熱中症について

毎年、4月の終わりごろから連日ニュースで耳にする「熱中症」。

熱中症とは、高温多湿な環境下において、大量発汗で体内の水分や塩分(ナトリウム)のバランスが崩れたために、また発汗による体温調節がうまく働かず体内に熱がこもったために引き起こされる健康障害。重症の場合は死に至ります。今回は身近に潜む危険な「熱中症」についてお話しします。

熱中症による救急搬送

全国搬送件数

2025年5月~9月の熱中症による全国搬送件数は過去最高の10万510件に。

出典:総務省消防庁 https://www.soumu.go.jp/main_content/001037757.pdf

加古川市 月別救急搬送

2025年の加古川市では特に7月に多くの方が熱中症で搬送され、主に65歳以上の高齢者が多いことがわかります。

加古川市 年齢区分別 搬送人数

出典:加古川市消防本部管内 https://www.city.kakogawa.lg.jp/soshikikarasagasu/syobohonbu/kyukyu/oukyuuteate/35158.html

熱中症は住居内でも発症

救急科が初療した過去6年間の熱中症(疑いは除く)例数は2025年では減少していました。65歳以上ではスーパーなどへの買い物や畑仕事、山登りなどにより約7割強が屋外で熱中症を発症。65歳未満でも約7割強が屋外での発症でした。加古川では屋外での発症が多いいものの、全国的には住居内での発症が4割と最も多くなっています。

過去6年間 各年4月~9月の合計

救急科 熱中症確診 53例

2025年4月~9月22日まで

熱中症の症状

暑熱環境(気温、湿度、風、日射など身体に大きな熱ストレスを与える環境)にいる、あるいはいた後に、めまいや顔のほてり、失神(立ちくらみ)、生あくび、大量の発汗、強い口渇感、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、 頭痛、嘔吐、倦怠感、虚脱感、意識障害、痙攣、せん妄、小脳失調、高体温等の様々な症状が現れます。

引用:日本救急医学会熱中症診療ガイドライン2024

熱中症は予防が大切!

熱中症予防には水分の補給が欠かせませんが、水分だけを摂りすぎると血液中の塩分が薄まり、熱中症の様々な症状の発生に繋がります。さらに全身病態を悪化させることも。「水分」と「塩分(電解質)」の補給が重要です。塩分タブレットなどを一緒に補給することで熱中症のリスクが下がります。さらにエネルギーとなる「糖分」を取り入れることで水分や塩分の吸収が良くなるうえに、疲労回復にも繋がります。

手早く塩分・糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクがおすすめです。ただし、カフェインの入った飲み物は利尿作用が強くなるので避けましょう。経口補水液は、熱中症かな?脱水かな?と感じた時、水分や塩分の補給に、強いては熱中症の増悪を防ぐために効果的です。

熱中症予防ができているかチェック

  • エアコン、扇風機を上手に使用している
  • 部屋の温度を測定し、確認している
  • 部屋の風通しをよくしている
  • のどがかわいていなくてもこまめに水分、塩分を補給している
  • シャワーやタオルで身体を冷やしている
  • 暑い時は無理しないようにしている
  • 外出する時は日傘や帽子をつかって直射日光を和らげるようにしている
  • 緊急時、困った時の連絡先を確認している

※熱中症の危険性が高くなると環境省から「熱中症特別警戒アラート」「熱中症警戒アラート」が発表されます。テレビや新聞、インターネットで情報を要チェック!

熱中症と思ったら…

  • すぐに医療機関へ相談、または救急車を呼びましょう
  • 涼しい場所へ移動しましょう
  • 塩分、水分を補給しましょう
  • 身体を冷やして体温を下げましょう

★冷やしたタオルやペットボトル、ネッククーラーなどでうなじ、おでこ、わきの下、鼠径部、手のひらや足のうらを冷やす

熱中症にまぎれるいろんな疾患

熱中症の診療では、「熱中症」の診断だけで済ませず、熱中症に先行する疾患・損傷が潜んでいるのでは?熱中症となって続発した怪我、やけど、骨折などが潜んでいるのでは?と広い視野に立って診察しています。感染症(肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、胆嚢炎など)は、身体の暑熱環境(発熱)をひき起こすので、熱中症と同じような症状(高温、全身倦怠など)が発現します。

65歳以上 熱中症・肺炎・尿路感染症例数 

2025年5~9月 救急科初療

熱中症と感染症の初期症状はよく似ています。「熱中症」かなと思っていても、肺炎、尿路感染症、胆嚢炎などの感染症が主な病因のことも多いので要注意!

救急科 主任科部長
 切田 学

 

電気代節約のためにエアコンを使わず、熱中症になって入院した場合、入院費や諸費用が電気代よりもぐーんと高くなることも。我慢せず、暑いと感じたら涼しくするよう日頃から熱中症の予防対策を行いましょう。

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