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地域がん診療連携拠点病院 | 加古川中央市民病院

地域がん診療連携拠点病院

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がんへの取り組みについて


5つの柱でがんの治療とサポートを強化いたします

 当院は2022年4月より、国指定「地域がん診療連携拠点病院」に認定され、がん診療の充実に日々取り組んでおります。

 1980年代以降、日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物(いわゆる癌)で、2人に1人が「がん」に罹るといわれています。その一方、効果的な治療法や新しい薬などが開発され「がん」は不治の病でなくなりつつあります。

 がんに対する治療は、大きく外科的治療、薬物(化学)療法、放射線療法の3つに分けることができます。一般的には転移がなく治療すべきターゲットが限られている場合には手術や放射線治療が行われますし、全身に広がっている病変や血液疾患の場合は薬物療法が主体になります。それぞれの治療法単独では効果に限界があるため、最近では2種類あるいは3種類の治療方法を組み合わせて治療効果を高める試みが広くなされています。この方法は集学的治療とよばれ、がん治療における主流となりつつあります。また、癌に対する直接の治療とは異なりますが、癌になった患者さんに対して精神的あるいは肉体的な苦痛を取り除くために緩和医療が積極的に行われるようになりました。

 がん集学的治療センターは、新病院開院時から当院のセンターの一つとして手術療法室、薬物療法室、放射線療法室、緩和ケア室、がん相談支援室を5つの柱として癌の治療にあたっています。治療の選択に迷う症例では、関連する診療科の医師、薬剤師、がん専門看護師、リハビリ部門のメンバーが参加して症例ごとに最善の治療法を決定すべくキャンサーボードとよばれる検討会を行っております。さらに当院受診の有無にかかわらずだれでも無料で利用できるがんの相談窓口としてがん相談支援室を整備するとともにがん患者さん同士が思いを共有し悩みが解消できるようにがんサロンを定期的に開催して、がんに悩む地域住民が少しでも減るように体制を強化しております。

 当院は地域がん診療連携拠点病院ですので、がん集学的治療センターが中心となってがん治療に対する講習会や地域の医療機関と連携した研究会を行うことで東播磨地域の癌治療の中核として治療成績の向上に努めたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

加古川市民病院機構 理事
加古川中央市民病院 副院長・がん集学的治療センター長   金田 邦彦

地域がん診療連携拠点病院について(国指定)

当院は令和2年4月1日、地域がん診療連携拠点病院(国指定)の指定を受けました。

厚生労働省は、全国どの都道府県でも質の高いがん医療を提供することができるよう、地域におけるがん診療連携を推進するための中核となる病院として全国に402箇所(令和2年4月1日現在)のがん診療連携拠点病院を指定しています。 その内訳は、都道府県がん診療連携拠点病院51箇所、地域がん診療連携拠点病院(高度型)47箇所、地域がん診療連携拠点病院275箇所、地域がん診療連携拠点病院(特例型)26箇所、特定領域がん診療連携拠点病院1箇所、国立がん研究センター2箇所となっています。

各種がんへの対応状況

希少がんについて

『人口10万人あたり6例未満の「まれ」な「がん」、数が少ないがゆえに診療・受療上の課題が他に比べて大きいがん種』の総称として希少がんがあります。当院では、多くの診療科を有しており、がん集学的治療センターを中心とし、複数の治療方針の中から、最善な方法を選択していきます。また腫瘍・血液内科や産婦人科、循環器内科、糖尿病・内分泌内科、 腎臓内科など他科と連携して対応しています。症状によって当院だけでは対応が困難な場合は、兵庫県立がんセンターや神戸大学医学部付属病院など院外の施設と連携して対応しています。

AYA世代への対応について

AYA世代のサポートを十分に行えるよう、当院でも多職種構成によるAYA支援チームを発足しました。病気による身体的な苦痛の緩和に留まらず、子どもから大人への過渡期にあるAYA世代特有の心理的・社会的ニーズを理解し、様々な相談をうけることができるよう体制を整えていきます。妊孕性温存については「兵庫県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」に参画し、対象となりうる患者さん、ご家族には指定医療機関である英ウィメンズクリニック、もしくは兵庫医科大学病院産婦人科と連携をとっております。

がんゲノム医療について

近年の遺伝子診断の飛躍的進歩に伴い、病気を遺伝子レベルで解析し、治療につなげる遺伝医療が本格化しています。当院でも遺伝子診療部を開設し、遺伝カウンセリングに基づいた遺伝学的検査を実施しています。今後はがんゲノム医療にも対応できるよう、連携病院の取得を目指しています。

小児がんについて

当院は小児がん連携病院にも認定されており、小児がん患者等の長期フォローアップが可能な体制を有するとともに、自施設において患者の状態に応じた適切な治療を提供することが可能です。また、自施設での対応が難しい場合には、兵庫県立こども病院などの拠点病院へ適切に紹介する体制を整えています。

地域がん診療連携拠点病院の役割

 指定を受けた医療機関においては、専門的ながん診療の提供、がん医療に従事する医師等に対する研修、がん診療における病院・診療所等の地域連携協力の体制構築や患者又は家族に対する相談支援及び情報提供等を行っています。

診療機能 集学的治療(外科手術、抗がん剤治療、放射線治療等を組合わせた治療)の提供
緩和ケアの提供体制

診療ガイドラインに準ずる標準的治療等の提供

病病連携・病診連携の協力体制

セカンドオピニオンの提示体制

医療従事者

がんの専門医の配置(抗がん剤、病理診断、放射線)

専門的な医療従事者の配置(看護師、薬剤師、放射線技師等)

研修の実施体制

がん医療に携わる医師を対象とした緩和ケアに関する研修の実施

地域の医療機関の医療従事者も参加する合同のカンファレンス定期的開催

情報の収集提供体制

がん相談支援センターの設置

院内がん登録の実施

集学的治療等及び標準的治療の広報、臨床研究等の概要及び成果、治験についての広報

兵庫県下の地域がん診療連携拠点病院

兵庫県には18箇所の地域がん診療連携拠点病院があります。 当院は東播磨医療圏の地域がん診療連携拠点病院に指定されました。

二次医療圏 地域がん診療連携拠点病院
神戸 神戸大学医学部附属病院
神戸市立医療センター中央市民病院
神戸市立西神戸医療センター
神鋼記念病院
阪神 関西労災病院
兵庫医科大学病院
近畿中央病院
市立伊丹病院
県立尼崎総合医療センター
東播磨 兵庫県立がんセンター
加古川中央市民病院
北播磨 西脇市立西脇病院
播磨・姫路 姫路赤十字病院
姫路医療センター
赤穂市民病院
但馬 豊岡病院
丹波 兵庫県立丹波医療センター
淡路 兵庫県立淡路医療センター

なお、全国の地域がん診療連携拠点病院については、厚生労働省ホームページをご参照ください。