患者さんの命を守る、
医療機器のスペシャリストとして
私は現在、入職11年目で不整脈の治療を中心に業務に携わっています。
学生の頃は、幅広い分野の勉強に取り組みました。疾患について医学の基礎知識や、その知識をベースに医療機器の構造や原理原則を理解することに力を入れました。入職当時は、臨床について初めて学ぶことも多く、アブレーションについては働きながら知識や技術を習得していきました。

当院は基幹病院で、救急医療や高度な医療機器を必要とする患者さんが多く集まります。
臨床工学技士は心カテ、透析治療、人工呼吸器や心臓ペースメーカー、人工心肺、内視鏡など、患者さんの命を守る機器の操作・管理を任されているという責任がありますが、大きなやりがいも感じられます。
私の担当する不整脈治療における医療機器の進歩は目覚ましく、常に新しい技術を取り入れたり、さまざまな技術を組み合わせたりして、治療を行うことが面白いところです。アブレーション業務では、3Dマッピングシステムの操作や管理を担い、医師の判断や手技を技術面から支えています。 また医療機器のメンテナンスを通じて、いつでも安全・確実に機器を使える状態にし、安心して治療を行える環境を整えています。適切な管理により機器の故障も大幅に低減しています。
専門性を高めたいと、
専門不整脈治療臨床工学技士の資格を取得


ペースメーカー外来では、月に800人ほどの患者さんの機器が適切に作動しているかをチームでチェックします。自宅に機器を設置することで病院での遠隔モニタリングができるようになりました。状況により来院頻度を延長することができ、患者さんの負担軽減につながっています。受診の際には私たちが患者さんの生活状況や不安、疑問などを聞き取り、必要に応じてアドバイスを行います。このように、手術から外来フォローまで患者さんの人生に長く寄り添うことができる、貴重な仕事だと感じています。
個人的には、不整脈治療分野における専門知識と技術を高めるために、専門不整脈治療臨床工学技士の資格を目指しました。仕事をしながらの試験勉強は、簡単ではなかったですが無事取得することができました。資格取得のための講習や学会への参加に関しては病院から支援がありますので、トライしやすい環境です。
また、院内では定期的な勉強会があり、実践的な知識や技術をしっかり身につけることができます。私自身も、入職当初は不安でいっぱいでしたが、先輩方が丁寧に指導してくださり、少しずつ自信を持って業務に取り組めるようになりました。今では多職種の方へ医療機器についての講習会を行うなど、自分自身の成長も感じています。「この人になら任せられる」と言ってもらえるような臨床工学技士でありたいと思います。
勤務体制について

勤務はシフト制で、夜勤(月に2、3回)や待機(5回程度)があります。その分、きちんと休みが取れるように調整してもらえます。代休の希望も受け入れてもらえやすく、平日を利用して、山登りを始めました。仕事とプライベートのオンオフを切り替えることで充実した日々を送ることができているなと感じます。現在、8名の女性技士が在席していますが、育休を取得して復帰している方がほとんどです。仕事終わりにメンバー同士でご飯を食べに行ったりすることが、自然なコミュニケーションへと繋がっているのでしょうか。働きやすく、チームワークの良い職場だと思いますよ。
2025年7月