#01 あなたのいつもの下痢や腹痛もしかして?「潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)」のこと知っていますか?
若い世代にも増えている潰瘍性大腸炎 お腹の不調 ストレスのせい?と思っていませんか
「血便があるけど痔かな」「お腹の痛みは疲れのせいかも」と思っていませんか?
近年、食生活やストレスの影響でお腹の不調を訴える人が増えています。しかし、症状が長く続く場合は注意が必要です。
それは「潰瘍性大腸炎」という指定難病のサインかもしれません。20~40代の若い世代にも多く、内科的治療の進歩によって、服薬や生活の工夫で無理なく付き合える病気になってきています。

どんな病気?
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が起こり、ただれや潰瘍ができる病気です。免疫の異常や遺伝的な要因に加え、食生活やストレスなどの環境要因が関係していると考えられています。
近年は日本を含むアジア地域で患者数が増えており、20〜40代に多いのが特徴ですが、年齢に関係なく発症する可能性があります。
こんな症状が続いたら受診を
- 下痢が2週間以上続く
- ドロっとした白い粘液や血が混じった便(粘血便)が出る
- 夜中にもトイレに行きたくて目が覚める
- 排便してもスッキリしない(残便感)
- 頻繁にお腹の痛みや張りがある
- 急激な体重減少や貧血がある

1つでも当てはまる場合は、自己判断せず消化器内科を受診しましょう。健康診断の「便潜血検査」も早期発見につながります。
適切な治療で、あなたらしい生活を
内科的治療は大きく進歩しており、基本薬であるメサラジン製剤の服用で、症状を落ち着かせた状態(寛解期)を維持できる方が増えています。さらに、生物学的製剤などの新しい治療薬も登場し、治療の選択肢は広がっています。
完治のための根治療法はまだ見つかっていませんが、症状が落ち着いている時期も薬を続けることが、再燃を防ぎ、普段通りの生活を送るために大切です。
生活の工夫でできる再燃を防ぐ
潰瘍性大腸炎は長期にわたる病気のため、生活習慣の見直しも重要です。
- バランスのよい食事を心がける
- ストレスをためすぎない
- 睡眠と休養をしっかり取る
- 定期的に通院・検査を続ける
体調が安定しているときも、無理をせず体の変化に気づくことが大切です。

病気と共に、前向きに生きる
潰瘍性大腸炎は症状の波がある病気で、突然強い便意に襲われるなど、外見からは分かりにくい辛さがあります。周囲の理解や配慮が、患者さんの安心につながります。
治療は今も進歩しており、適切な治療と生活の工夫で、安心して日常生活を送ることができます。気になる症状が続くときは、一人で悩まず早めに相談しましょう。

- 消化器内科 科副部長 孝橋 道敬
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「潰瘍性大腸炎」の治療開発や創薬は日々着実な進歩を遂げており、一人ひとりに最適な治療を選択できる未来へと近づいています。
この病気を『重荷』ではなく、上手く付き合っていくべき『体質』として捉えてみてください。『IBD(炎症性腸疾患)と共に生きる(People living with IBD)』という考え方で、病気があっても自分らしい生活を送ることを、共にめざしましょう。







